【投資の豆知識】長期投資でも「損切り」が必要な理由と正しい判断基準
長期投資は「時間を味方にして資産を育てる」王道の投資法ですが、“絶対に損切りしなくていい” 投資スタイルではありません。
むしろ、長期投資だからこそ、損失が拡大しやすい局面では冷静な判断が欠かせません。
■ 長期投資にも損切りが必要なケースとは?
以下のような状況では、長期投資家であっても損切りを検討する必要があります。
- 企業の「成長シナリオ」が崩れたとき
業績悪化が一時的ではなく、構造的な問題に発展しているケース。 - 財務が急激に悪化したとき
債務超過が視野に入る、不採算事業の連続化など。 - 競争環境が激変したとき
新しい競合の登場でシェアを奪われ、回復の見込みが薄い場合。 - 過度な集中投資によってリスク管理が崩れたとき
1銘柄比率が大きすぎる場合は、一部売却でリスク調整が必要。
■ 損切りが「悪い」わけではない
長期投資家は損切りに対してネガティブな印象を持ちがちですが、
損切り=負け ではなく、損失をコントロールするための戦略行動です。
投資の世界では有名な言葉があります。
「損失は早く、小さく。利益はゆっくり、大きく。」
長期投資では「保有し続ける勇気」も必要ですが、
ダメな銘柄を抱え続けることは長期投資ではなくただの忍耐です。
■ 長期投資用の損切りルール例
感情で判断しないために、あらかじめルールを定めることが大切です。
- 業績が2期連続で減益 → 見直す
- 営業キャッシュフローが2期赤字 → 原因を精査し判断
- 決算発表でガイダンス下方修正 → 事業構造を確認
- 購入価格から−20%で一度見直す → 構造的悪化なら売却
あくまで例ですが、ルールがあると損切りの判断がブレにくくなります。
■ 損切りは「再スタート」のための行動
損切りは精神的に辛いですが、資金を次のチャンスに回すための前向きな行動です。
投資の世界に“絶対”はありません。だからこそ、柔軟に見直し、次に進む力が大事になります。
■ 初心者向けワンポイント解説
今の投資を長く続けたい方ほど、「損切りの基準」を持っておくことが資産形成の加速につながります。